消えゆくオールドスタイル 。「ライヘンポーチャナー」の『炭火鍋タイスキ』

สุกี้หมู   スキームー
豚肉タイスキ鍋

街かど屋台が減り、高層ビルがにょきにょき増え、最新のどでかい商業施設が今年もどこかでオープンしているタイランド。もうすっかり景色が変わってしまったところもあるけれど、以前から全く変わらない、発展から取り残されてしまったような場所もある。それがまあバンコクの魅力なんだけど、「昔から変わらない古い場所」は少しずつ失われていっていることは確かだ。

炭火の鍋でもう何十年もタイスキを提供している店があると聞いて、行ってみた。お店の名前は「ライヘンポーチャナー」。この辺りは老舗店が何軒か集まっており、コーヒーと紅茶をミックスした飲み物が味わえる「イアシェー」なんかもすぐ近くだ。

お目当ての「炭火タイスキ鍋」を食べるべく、この界隈を何度か歩いてみたのだが、不思議なことにお店が見つからない。ここだ!と思ったところはどう見ても休業中だったので入店を諦めていた。しかし、どうやらその開店休業真っ只中にように見えるお店が、まさにお目当てのお店だと気づき、意を決して入ってみた。

お店は広いけど、座席数は少なく、私物なのか荷物なのかなんだかわからないものが積み上げられている。ショーウインドウはガランとしていて、なにもはいっていない。(ここに食べ物がワンサカ入っていることが、「開店していますよ」という合図だったりするので、何もないと店が開いているようには見えない。)


お店の中にはおばあちゃんがいて、ぼーっとしているので「この店、開いていますか?」と聞いてみるがなかなか通じない。そうこうしているともう少し若いおばあちゃんが出てきて、やっとオーダーできることとなった。うーん。だいじょうぶかな?


とりあえず豚肉のタイスキ鍋を注文する。他にもゴイシーミーやらパットジャプチャーイやらが注文できるらしいけど。。。こんなに暇そうなのにきちんと材料、揃っているのかなあ??

メニューの写真は、かなり年季が入っている感じがする。


そうこうしているうちに運ばれてきたのがこちら。確かに炭火で温められ鍋と、鍋の具材たちがやってきた。豚肉の上には生卵が3つ。当然生では食べられない。これは卵と肉を混ぜてから鍋に入れてください、とうことなのだろう。

運ばれて来たものを見て、…驚いた。開店休業状態にもかかわらず、食材はかなり新鮮!

…今日の仕込みは何人分、とか、一体どうしているんだろうか。


とにかく、運ばれて来た野菜をちぎって入れ、ちぎって入れ。
お肉は上に生卵がかかっているので、しっかり混ぜてお肉とからめて投入。

タイスキだけど練り物関係の具はない。タイスキの練り物ってどこか工業製品のような感じがするものね。
このシンプルな感じ、結構いいかも。


タイスキのタレは、腐乳を使った昔ながらのタレ。
最近の鍋料理のタイスキのタレって、腐乳の風味は隠し味程度?になっているお店が
多いような気もするけれど、このお店のタレは腐乳の風味が結構前面に出ている、昔ながらのものだった。


パクッと食べると…うん、旨い!!

タイスキのタレの甘みはほどほどで、ある程度塩気も効いているので日本人にとって食べやすい味。

噂によるとこのお店、今年中には休業してしまうかもしれないのだそうで…。
まあ、現時点でも開店休業状態なので、それも仕方ないのかなぁ。
お店は雑然としているけれど、外観はいい感じに古びていていい雰囲気もあるのに、もったいない気がするなあ。

(追記:2021年現在もお店は営業しているようです。)

ここでもまた、「昔から変わらない場所」が消え、新しいバンコクが生まれるのかな。
まあそれは仕方ないことなんだけれど、なんだか寂しい気もするなあ

お店の場所と地図

店名:ライヘンポーチャナー(ไล่เฮง โภชนา 來興餐室)
営業時間:12:30-21:00
基本無休だけど開いてるように見えないので注意!
※ お店は古いけど、値段は結構お高めです。
タイスキ タマダー300バーツ、ピーセト400バーツ

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2011年、タイ在住の頃にブログを開設。現在は日本に帰国し九州地方に生息中。(実家は京都なので、京都のタイ料理屋を巡るのも趣味。)現在も年に1回はタイに遊びに行き、美味しいものを食べ歩いている。

 

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