โลบะ ローバ
プーケット風豚肉煮込み
毎年行なっているバンコク行脚。
それもいいけど、たまにはちょっと遠出をしてみよう、ということで始めた「ちょっとスペシャル」な『食を巡る紀行』。
前回はタイ北部。チャンセーン、チェンライ、チェンマイ、3都市を巡り「カオソーイ」の変遷を探る壮大な旅だった。
(スペシャルコンテンツ『カオソーイを巡り旅』は最下部のリンクからご覧ください。)
今回から新たに始まるスペシャルコンテンツ。その舞台は…プーケット!
プーケット独特の食文化を探る、題して「プーケット ババ・キュイジーヌを巡る旅」。
みんなが知らない、プーケットの食文化をできるだけ掘り起こしてゆこうと思う。
それでは、「プーケット ババ・キュイジーヌを巡る旅」。はじまりはじまり〜!!
ババ・キュイジーヌとは
マレーシアやシンガポールの旅行情報を見ていると、よく見かけるのが「ニョニャ料理」というキーワード。
15世紀後半にやって来た中国系移民の人々。多くは福建省出身だった彼らは「プラナカン(海峡華人)」と呼ばれ、交易により富を築いた。
マレーシアやシンガポールでは、人々が現地で結婚し、両者の食文化を折半したような独特な料理が生まれた。
プラナカンたちの間では、中国系移民とマレー系女性の間に生まれた男の子を「ババ」、女の子を「ニョニャ」と呼んでいたため、彼らが作り上げた伝統的な料理のことを「ニョニャ料理」と呼ぶ。
そして…。
あまり知られてはいないけれど、中国移民達はマレーシアやシンガポールだけでなく、タイのプーケットにも訪れていた。マレーシアやシンガポールと同じく、ここでもプラナカン達は地元の女性たちと結婚し、子孫を増やした。
こうした「タイ・プラナカン」達もまた、タイの食文化と中国の食文化を掛け合わせ、マレーシアとはまた違う独特の食文化を産んだのだった。
プーケットでは、そうしたプラカノンたちが作り上げた独特の食文化のことを「ババ・キュイジーヌ」と呼んでいる。
コロニアル調の建物が立ち並ぶ旧市街
ピピ島には行ったことがあるけれど、実はプーケットを本格的に歩くのは初めてだった。
飛行機を降り、旧市街に出てみるといつものタイランドとは明らかに違う光景が。とにかく街が美しい。
プーケットといえばビーチリゾートが取り上げられることが多いけれど、街の中もこんなに魅力的なところだったのねん。
旧市街でのプーケットの「食」
なにはともあれ、まずは食事だ。
そのまま目の前のレストランに入ってもいいのだけれど、せっかくここまで来たんだからまずはどローカルな食べ物を食べたい。
そんな思いで入ったのがこちら。
旧市街の中心部からはちょっと外れた場所になるのかな?お店の名前は「locktien」。ロックティエンと読むべきだろうか。お店のメニューによると、漢字表記は「楽天」だった。日本の楽天とは関係ないはず。笑
色々調べてみたけれど、ローカルフードを味わいたいならこのお店は外せないらしいのだ。ここでは以前から気になっていた「ローバ」という料理を食べてみることにした。
「ロックティエン」の店内
初めて来たのに、どこか懐かしい。そんな雰囲気のお店。
注文の仕方がちょっと独特で、お店としては一つだけれど、中は「フードコートスタイル」になっている。
各コーナーに「麺コーナー」とか「甘味コーナー」などがあり、それらが別々に営業しているのだ。注文も各ブースの店員さんが、それぞれ別にオーダーを取っている。料理が運ばれてきたら料金を払うというシステムだ。
メニューを見てみるとこんな感じ。色分けされているけれど、色ごとが「別のお店」だと認識すればいいみたい。
実は、以前から「食べてみたい」と思っていた料理があった。それが下から2段目あたりにある「ローバ」という料理。
早速注文してみよう。
これが、「ローバ」。実に肉肉しい見た目だね!
プーケットを代表する料理のようなんだけれど、他の地域では全く見かけたことがないなあ。何でもありそうなバンコクにもない。
似ている料理はあるね。ご飯メニューの「カオチェーポー」。
「カオチェーポー」の上に乗っかっている「具」のお肉たち。「ローバ」はあれと見た目がそっくりだ。
ご飯と一緒に食す。→「カオチェーポー」
一つずつタレにつけて食べる→「ローバ」
みたいな感じなのかな?
タレにつけて食べてみた。南国っぽい?ピーナッツ仕立ての甘めのつけダレだ。
お肉には塩気控えめな黒醤油で煮込まれたような味がつているけれど、タレにつけて食べると美味しさ倍増。お肉は色々な食感のものがあり、美味しいし食べていて飽きないね。(^^
自分としては、以前から食べたいと思っていた料理がついに食べられて、大満足だった。
バンコクでは、潮州からきた中国移民の人が多いけれど、タイ南部は福建から来た人が多かったんだね。
プーケットの福建人の「ローバ」が、バンコクの中華街ではご飯とともに食され、それが「カオチェーポー」と呼ばれるようになったんだろうか。
正直答えは出ないけれど・・・。タイの中国移民文化史を感じさせる、興味深い一品だった!
さらにもう一品!
もちろん、ローバだけじゃなく、他にもいろんな料理を頼んだよ。
これはバンコクにもある生春巻き。「ポピアソッド」。
でも、この店のはバンコクでよく見かけるものとちょっと違うね。巻きがやや太く、中にサニーレタスっぽい物が挟まっている。こっちの方が食べ応えはありそうかも。
バンコクのポピアソッドは、南国から伝わったという話がある。マレーシアのニョニャ料理でも生春巻きのことは「POH PIAH」と言うらしい。
ちなみに「生春巻き」って言うけれど、生っていうか純粋に北京ダック食べるときにダックを包む皮。あれと同じものだよね。
パクッと食べると…。ど安定に旨い!
生春巻きはバンコクと同様で、ポピュラーな食べ物らしく、いろんなところで売っているのをみたよ。
ポピアソットに関しては、以前考察したけれど、なかなかの反響だった。下にリンクを貼っておくので、よかったらみてみてね。
お店の場所と地図
店名:ロックティアン(Lock thian 楽天 ลกเที้ยน)
営業時間: 9:00-17:00 火曜定休
場所:プーケット旧市街。旧市街は徒歩で散策できるので、googlemapを見ながら歩いて行ってみよう。
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