これぞ名店! シーロムの「ムスリムレストラン」で食べた『カオブリー』と『スップヌア』

ข้าวบุหรี่แพะ カオブリー ペ
ヤギ肉入り泰風ビリヤニ (カオモックペ)

「限定メニュー」というものに弱い。
ラーメン屋でもパンケーキ屋でも、「1日○○食限定!」とかいうメニューを見つけると、思わず注文してしまう。

そんな「限定好き」の琴線に触れる、「月曜日と金曜日限定」のメニューがあるハラルフードのお店があると聞いて、行ってみた。

場所はチャルンクルン通りとシーロム通りが交差する場所から歩いてすぐなんだけど、その前にちょっと町歩き。

チャルンクルン通り ソイ32というところにやって来た。この辺りはタイ人のアーティストが描いたストリートアートがあることで有名なのだ。ソイの中をずんずん歩くも、なかなか見当たらないので焦る。ここでホントに正しいのかな?と疑いだしたその時…。


あった!ありました!!
この辺りはインスタ映えを狙うなら、ベストなスポット。アートの前で写真を撮れば、誰でもちょこっとオシャレさんになれる。
このアート、タイ人の新進気鋭のアーティストたちが描いたものらしく、この界隈だけでなくタイの観光スポットのあちこちに点在する。


特にこのアートは状態もキレイで、周りに遮蔽物もなかったので写真をパシャパシャ。
家に帰ってパソコンの壁紙にしよう。


ストリートアートのソイからだと歩いて10分くらい?かな?
サパーンタークシン駅からだと歩いて5分くらいのところにあるのがこのお店。

お店の名前は…「ムスリム食堂」かな?シンプルなネーミング!
お昼の時間がもう過ぎていたので、閉店間際、滑り込みの入店だったみたい。


お客さんがちょうどいなくなったところをパシャリ。
時が止まったかのような店内。だけど昼時には人も込むみたいだし、店員さんの対応もしっかりしている。
まだまだ「現在絶賛稼働中」のお店だ。

メニューを見てみると、ダルカレーなどインド料理に近い料理もある。
今回お目当てなのは…一番上の「カオブリーペ(マトンビリヤニスペシャル)というやつだ。月曜日と金曜日のみと、確かに書いてある。

しかしながら…どうやらこの時はもう品切れだった様子。下のスペシャルじゃない「カオブリーペ」ならぎりぎり出せるみたいだったので、それを注文した。

どうでもいいけど、タイのお店では、マトンとヤギが混同されてるような気がするなあ。「ぺ」って言ったらヤギのことだけど、このお店では英語表記は「マトン」だしね。とりあえず、当初の目的通り限定メニューの「カオブリー」を注文。他にもう一品欲しいな、と思ったので「スップヌア(牛肉スープ)」というのも注文してみた。どんなものが来るのかな?

「カオブリー」というのは「カオモック」のこと。同じものだけど、南タイでは「カオブリー」と呼ばれるみたい。
バンコクでは普通「カオモック」と呼ぶけれど、今日のように本格的なムスリムのお店では「カオブリー」と呼んでいるところもあるみたいだね。

カオブリー ペ ข้าวบุหรี่แพะ


お皿が到着! 兎にも角にも食べだした。
閉店間際ということで、売り切れギリギリのところをなんとかⅠ人前ぶん作ってくれたみたい。ご飯の中に、良い感じにおお肉が混ぜ込まれている。パクッとたべるとしっかり肉の味がした。確かにヤギ(マトン)っぽい味わいだけれど、マトン特有の嫌な風味は全く感じなくて、いい香りだったよ!

ご飯もパラパラしていて、非常に美味。黄色いご飯にちょっと白いご飯が混じっているのがすごく本格的がするね。

この料理、一般的には「カオモック」って言うと思うんだけれど、タイ南部やバンコクの一部の専門店では「カオブリー」とも呼ばれているみたい。

「カオモック」は、アユタヤ時代にペルシア人によって世界中に広められた。インド・パキスタン料理としては「ビリヤニ」の名前でよく知られているね。ペルシアは今のイランの古名で、ペルシア帝国ができてから南アジアジアに侵攻。ムガル帝国ができたんだけどその過程で「スパイスでご飯を炊く」ということが発明され世界中に広まった。「カオブリー」と言う名前はペルシア語の「カーブリ」が変化したもので、アフガニスタンの首都「カブール」を指しているらしい。

ちなみに「カオモック」の「モック」は「埋める」と言う意味で、ご飯のに鶏肉やら牛肉やらが、埋まって入っているからこの名前がついたんだろうね。このお店では、お肉が少なくて混ぜご飯風になってるのが「カオブリー」で、ご飯の中に大きめのお肉がもっこり入っているのが「カオモック」と、どうやら名前を使い分けている様子。

このお店みたいにお肉に「マトン(ここではヤギのこと)」を使っているのは本当に珍しいけれど、それだけこのお店が本物志向を目指していると言うことなんだろう。昔は羊の卸売もやっていて、生きたヤギを田舎から連れてきて、さばいて売っていたんだとか。

昔からヤギ(マトン)にこだわる老舗店だから、この味が出せるんだな!!納得の出来だった。

ซุปเนื้อ スップヌア

もうひとつ注文したのが、こちらの一品。「牛肉スープ」というめちゃくちゃシンプルなネーミングなので、味の想像がつかないな、などと思いながらスープを啜ってみると…。おお!酸っぱい!爽やかな酸味!!

イサーン料理のトムセープに似ているけれど、コブミカンの葉は使われておらず代わりに揚げ玉ねぎの香りが強い。トマトも入っていてトムヤムみたいだけどナムプリックパオは入っていない。何より牛肉、牛スープ。タイ料理の範疇だけど、あんまり味わったことのない新鮮な味だった。

この店に来て、このスープが注文できてホントによかったな〜。


お会計して、外に出ようとして気になったのは、陳列されたカレーたち。
これがなんとも美味しそうで、お腹がいっぱいで帰らなければならないのが本当に残念に思えてきた。

まだまだ食べ足りない!再訪必至。こんど来たときにはカレーを食べてみよう。「牛肉の脳みそカレー(インドで「マガズ」と呼ばれる羊の脳みそを使った料理があるんだけれど、それを牛肉の脳で代用したもの。)」というのがあるみたいなので、今度来たらそれ食べようっと。

2021年追記: 賃貸料の値上げなどの問題があったのか、タイ人からも日本人からも惜しまれつつ閉業されました。うーんざんねん!悲しい…。これも時代の流れというやつなのでしょうか。仕方ありませんね…。

お店の場所と地図

店名  : ムスリムレストラン(Muslim Restaurant)
営業時間: 月〜金 7:00〜17:00
土・日 7:00〜15:00
行き方 : サパーンタクシン 駅から、徒歩5分程度。駅からチャルンクルン通りに出て「シロッコ」の方角に歩いて行く。途中、シーロム通りとの交差点があるが、チャルンクルン通り沿いを歩くこと。お店は交差点を越えてすぐ。

ストリートアートが描かれた壁がある場所

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2011年、タイ在住の頃にブログを開設。現在は日本に帰国し九州地方に生息中。(実家は京都なので、京都のタイ料理屋を巡るのも趣味。)現在も年に1回はタイに遊びに行き、美味しいものを食べ歩いている。

 

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