古き良きタイの味?『トゥーフアン』と『ジュックビー』 ตือฮวน และ จุกบี้

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トゥーフアンとジュックビー  ตือฮวน และ จุกบี้
豚臓物の高菜煮込みと餅米の腸詰め
タイ料理といえばよく言われるのが、「辛・酸・甘」。辛くて酸っぱくて甘くて、しかもその味わいが別々に口の中にやって来る感じ…トムヤムスープなんかがその代表格だと思う。
でも、タイ料理のなかにはその「辛・酸・甘」にあてはまらない料理も結構ある。おんなじスープで言うとゲーンチューなんかはそうだ。あと、クイティアオナーム(タイラーメン)なんかも卓上の調味料を入れなかったら至って薄味のスープだよね。
こういう薄味スープのタイ料理は、大抵の場合潮州料理が元になっている。っていうか、潮州料理そのものだったりする。クイティアオは潮州料理の「粿條(コエティオ:米麺)」とほぼ同じものだ。麺料理だけじゃなく、タイ料理の多くは実は潮州料理だったりする。例えばオースワンなんかも潮州料理の「蠔烙(オールアッ)」とほぼ同じ料理だ。
どうしてこういうことになっちゃってるかというと、今の王朝のもう一つ前、トンブリー王朝の時代に華僑がタイにやって来たとき、その多くが潮州人だったから。トンブリー王朝の建国者、タークシン王はタイ人と朝州人のハーフで、その関係もあって多くの潮州人が現在の王宮の辺りに移り住んできたらしい。その後ラーマ1世の時代に中華人コミュニティはサムペンに集まり、今の中華街の原型を作ることとなる。
ちなみに、第二次世界大戦の頃まではクイティアオも「中華料理」という扱いだった。第二次世界大戦のころ、お米不足からくる米の値段高騰を避けるために麺食を進めるようになったんだけど、「ナショナリズム」が台頭していた時代に「中華料理」である麺料理を国民にオススメすることはなかなか難しかった。それで当時のピブーンソクラム首相が考えだした妙案が「じゃあ、タイ人のタイ人による麺料理を作ればいいじゃん!」というもの。それでできた麺料理が「パッタイ」というわけだ。こうした流れの中で、タイ人の食生活は大変化。フツーのタイ人もフツーに麺を食べるようになっていった…。
(まあ、「炒めもの」というジャンル自体も昔はタイにはなくて、中華料理が一般的になるに連れて広まったものなんだけどね。)
…前置きが長くなっちゃったけど何が言いたかったかというと、今も「中華」?「タイ」?と立ち位置がビミョウな料理が結構あって、その多くが潮州起源だということ。今回紹介する「トゥーフアン」も、そんな料理のひとつだということだぁぁ!

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トゥーフアンって何かと言うと、要はブタ肉の臓物を高菜の漬物と一緒に煮込んだ煮込み料理のこと。余計なスパイスは一切使わず、ただ臓物!高菜!という組み合わせにこだわっているところが潔い。この料理の美味し他の要は、恐らくブタ肉の臓物の処理にある。丁寧に洗って臭みを取るんだと思う。

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スプーンですくってみると、臓物と高菜がコンニチハ。味わいはすっごく薄味で、料理の塩梅はほぼ高菜の漬物から出る塩気に委ねられている。もちろん自分であとからナンプラー等をふりかけて食べてもいい。その辺は普通の麺料理と同じ。

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「カレーには福神漬」「うなぎの蒲焼きには肝吸い」みたいな感じで必ず対になる組み合わせって、あると思うけど、トゥーフアンに欠かせないのがこのもち米の腸詰め。名前はジュックビー(จุกบี้)と言うんだけど、このお店では単に「カオニャオ」と呼ばれていた。

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もち米と茹でたピーナッツを豚の腸に詰めたものだけど、これは…かなりおいしい!なんとなく和食っぽい味わいで、みたらし団子や五平餅を連想させる。一緒についてくるシーユーダムで作られたソースもみたらし団子のタレに結構似ている。(あれよりも甘くなくて、日本の醤油に砂糖を入れた味に似ている)
タイ人でも最近のワカモノは知らない人がいるというこの料理。中華街で目を皿のようにして探しまくればきっとお店も見つかるだろう。ちなみに写真はシラチャにある創業30年以上?と言われる老舗のお店で撮りました。(^^
(今回参考にした文献) 
Wikipedia「潮州料理」
2014年4月16日参照 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BD%AE%E5%B7%9E%E6%96%99%E7%90%86
Angle「タイの焼きそば「パッタイ」の歴史とバンコクのおススメ屋台まとめ」
2014年4月16日参照 http://anngle.org/culture/foods/thainoodle_padthai.html
DACO 2013年11月20日号 「今、ここにある中華街」p26 ,
DACO 2014年2月20日号「屋台の細道」p30

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