バンコクで食べるイエメン料理
アラブ人街と言えば、バンコク屈指の異国情緒あふれるスポット。アラビア語の看板が目立ち、行き交う人々の顔立ちや服装ももはや中東。
この辺りはBTSの駅名にもなっているインド系タイ人ナナ氏が1930年代に開発した土地で、当初はインド系の人たちが多い街だったという。それが戦後「ハラルフードが食べられる」ということで中東系の旅行者が多く訪れるようになった結果、現在のような姿になったらしい。
アラブ人街の風景は僕たち日本人にとって馴染み薄い。それだけに町歩きをしていて出会える光景は非常に貴重で、面白く感じられる。
アラビア語の看板が目立ち、顔の濃い人たちが歩く一角で写真をパチリ。
靴屋も時計屋もバンコクにはたくさんあるけれど、アラブ人街にあるお店はなんだか独特な雰囲気だ。ここで商品を買う物好きな日本人は…いないだろうなあ。
お店の前に貼られていた貼り紙。ちょっとイラストが日本の漫画っぽい。けど女性がヒジャブでアラビア語っていうのが面白いと思った。
なんて書いてあるのかな?と思いGoogle翻訳の写真翻訳機能を使ってみると…
お店のニューオープンのお知らせだった!! 笑
こんな感じで街歩きを楽しんだ後は、お腹が空いたのでレストランへ。
アラブ人街にはインド料理、レバノン料理、エジプト料理と色々あるらしいんだけど、日本でまず食べられないと思われるイエメン料理に挑戦してみた。(いろいろ検索してみたけれど、なんでもありそうな東京でもイエメン料理屋は1軒も無いらしい!)
お店の名前は「ハッピーイエメン」という、誰もがハッピーになれそうな名前のお店。
残念ながらお店の外観を撮るのを忘れてしまった…!!
メニューを見てみると…なるほど、わからん!
当方、タイ料理に関してはだいぶ語れるようになってきてますけど、イエメン料理は門外漢でございます。
とりあえずサラダが食べたいということで、「Tabbouleh」と書かれたパセリのサラダを選択。
事前に調べおいたのだけれど、どうやら中東では「フムス」と呼ばれるマッシュドポテトのような見た目の料理が一般的な主食の様子。
しかし、せっかくイエメン料理屋にいるんだし、よりイエメンっぽい食べ物を食したい!ということでわけもわからず写真ではフムスにちょっと似た感じだった「Asedh Yemeni」をオーダーした。
もう一つ今回マストで注文したかった「イエメンパン」と、あとは「サルタ」と呼ばれる鉄鍋のお料理と、鶏肉の料理も注文したよ。
まずは…でた! イエメンパンとパセリのサラダ。
とにかくまず驚くのはイエメンパンのそのサイズ。でかい!これでもちなみにSサイズ。
本来は大家族が料理を囲んで、イエメンパンはみんなでちぎって食べるんだろうな…と想像する。
大きすぎて大きさが伝わりにくい!!
パンと言っても、インドのナンに似た感じかな?
いろんな料理と一緒に食べるんだけれど美味しすぎて余裕で食べきれた。
次に食べるのはこのパセリのサラダ。
パセリってそれだけでサラダとして成立するんだ…というインパクトのみでチョイスしたと言っても過言では無い。
だけど食べてみると、その旨さに驚いた。

タマネギとトマトが入っていて、レモンと塩の酸味。
パセリはクセの強い風味がうまく抑えられていて、パクパク食べられた。うーん、パセリって皿の横に添えられるためだけにあるようなイメージだったけど、イエメン料理では立派にお料理の主役だ。よかったな〜、パセリ!
そしてかなり期待していた「Asedh Yemeni」という料理。カタカナ表記だと「アシーダ」になるみたい。Wikipediaでも英語版にしか情報がなかったので日本だと相当マイナーなメニューだろうね。でもイエメンでは主食の一つで、非常にポピュラーなものらしい。
スープが添えられていたのでどうするのかな?と思っていたら店員が駆け寄って来て食べ方を説明してくれた。どうやらスープをたっぷりかけて食べるらしい。しかもなんと店員さんは自らスプーンで料理にスープをかけてくれたよ!優しい!
なんとなくイエメン料理屋の店員はザックリしてそうなイメージだったけれど、ここのお店は本当に対応が良かった。流石人気店は違うなあ。一見さんでも全く問題なく丁寧に接客してくれるし、料理も美味しい。オススメだ!
なんとなく黄色いからもとはひよこ豆かな?と思ったけれどどうなんだろ。アシーダはスープをかけてもとろとろにならず、プリッとした食感を保っている。
クセになる美味しさ。いやもうおかずも要らずにこれだけでパクパク食べられますやん!
そして、これもイエメンの代表的な料理らしい、Saltah(サルタ)という料理。このように石鍋でグツグツに立った状態で運ばれて来て…。
その上にクリームソースをかけて食べる。イエメンの人、料理の上になんかかけるの好きやな!
このクリームはチーズソースか何かかと思ったけれど、食べてみると思ったよりもずっと酸っぱいサワークリームソースだった。

食べてみると…ああ〜これ日本人の口に合うやつ!
ソースなしだと居酒屋で出てくるシチューのような味わいだけど、ソースをかけることによって酸味が加わり味に深みが出る。非常に美味しい。
中東というとなんとなくクミンやらフェヌグリークやらの香りが強い料理が多いようなイメージだったんだけれど、イエメン料理はそうしたスパイスの香りはそこまで強くなく、パンは美味しく日本人の口に合っていた。イエメン料理は知られざる激旨料理の宝庫だった。
最後に食べた料理もしっかり美味しかった〜。
これほどインパクトの強い美味に出会えたのは久しぶりなんじゃないかな?と思えたほど美味しかったイエメン料理。
タイといえばタイ料理にばかり目が行きがちだけれどたまにはこういう料理もいいよなあ。
店員さんも優しかったし、アラブ人街は素晴らしいところだなあと認識を新たにしたのだった!
お店の場所と地図
店名: The Happy Yemen(مطعم اليمن السعيد)
※周辺は細々したお店が多いので、Google Mapなどでよく確認しながら行ったほうがいいかも。
営業時間: (通常) 07:00 – 翌03:00
(ラマダン) 17:00 − 翌04:00
(新型コロナウイルスの影響で臨時休業や短縮営業を行っている可能性があります。)


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