日本のお菓子とタイのお菓子は親戚同士? タイ式鶏卵素麺『フォイトーン』

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フォイトーン ฝอยทอง
タイ式鶏卵素麺(←便宜上こう書きましたが、フォイトーンはアヒルの卵黄も混ぜて作ります)
タイのショッピングセンター等で、お菓子のコーナーを覗いてみると、日本より数段?原色に近い色合いの物があったりして驚くことが多い。
原色に近い色合いは、もちろん人工染料もあるのかもしれないけど、殆どの場合自然の植物からとったものだ。例えば、ドギツイ赤色はグラチアップ(กระเจี๊ยบ)の花、食べ物としてあり得ない鮮やかな藍色はアンチャンの花、ペンキで塗ったみたいな緑色はバイトゥーイと言った具合…。
日本に比べて自然色自体が濃くてドギツイので、お菓子の色合いも自然にどぎつくなってしまう…のかもしれない。
で、黄色(金色)はどうするかといえば…色々あるのかもしんないけど、卵黄を使うことが多い。
鶏卵だけじゃなくて、「色が良くなるから」という理由でアヒルの卵も使われる。
タイでは金色は縁起のいい色なので、卵の黄身を使った菓子は祝い事のある日にも使われる。そんな金色系お菓子?の代表格が「フォイトーン」だ。(フォイトーンは「金の糸」って意味ね。)

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とあるショッピングセンターのお菓子コーナーで実演販売をしていた。どんな風に作るのかな?
専用の容器(三角錐の形をしていて、細かい穴が空いている)に卵液を入れて、沸騰した糖蜜のなかに卵液を流し出していく。 穴から出てきた卵液はみるみるうちに固まるので…。

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こうやって箸ですくってサルベージ。簡単そうだけど、見栄え良く卵を引き上げるのは結構難しいんじゃないかと思う。

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こちらは別の機会に撮った写真。 こういうふうにパックに入って売ってることが多い。

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食べてみた。シャクシャクしていて、思っていたより柔らかさはないかな?卵臭さは全くなく、小麦粉を抜いて作ったカステラって感じ?
っていうか、このお菓子、日本の3代銘菓・鶏卵素麺にそっくりだよね。鶏卵素麺はポルトガルから日本に伝来した南蛮菓子。ポルトガルでも今でも作られていて、名前を「Fios de Ovos」というらしい。
じゃあ、タイのフォイトーンもポルトガルから伝来したものなのか?と言えば、実はちょっとだけ違うらしい。フォイトーンをタイに広めたのはアユタヤ時代のタウトーンギープマー ท้าวทองกีบม้า (ウィチャーエン婦人)という人。
この人、血縁関係がややこしいんだけど祖先は実は日本人。
正確に言えば、タイ人と日本人とベンガル人の血を持つ混血の人物なのだ。
 
日本に住んでいたポルトガル人と、キリシタン大名の末裔がキリシタン禁制になった日本から抜けだしてタイに移り住み、そこで一人の娘をもうけた。その娘はアユタヤでベンガル人と日本人のハーフと結婚し、一人の娘を産んだ。そうして生まれたのがタウトーンギープマー。複雑やね〜。
タウトーンギープマー自身はギリシアから来た役人(タイの政府高官にまで上りつめ、官職名としてチャオプラヤー・ウィチャーエン (เจ้าพระยาวิชเยนทร)と呼ばれる)と結婚するんだけど、1688年のシャム革命で旦那は殺されてしまう。タウトーンギープマー自身も牢獄に幽閉されるんだけど、お菓子作りの才能があることが認められ晴れて自由の身に。王宮の宮邸料理人お菓子部長(そんなのあるんや!?)に任命されたのでした。 ちゃんちゃん。
そんな波瀾万丈の人生を送ったタオトーンギープマーさん。涙流して演歌でも歌って欲しいところだけど、タイでお菓子部長になった後、フォイトーンやらトーンイップ・トーンカヌンといったお菓子を広めたのでした。
うーん、キリシタン大名・アユタヤ・シャム革命!!いろんな時代と時代が交錯した末に生まれたお菓子だと思うと、なんだか地味だけどスゴイやつだな、フォイトーン…。
今回参考にしたのは…
ブログ A Life in thailand お父ちゃんはタイ人 
2005年12月7日更新 「鶏卵素麺」http://marisa.jugem.cc/?eid=157
Wipedia 「鶏卵素麺」http://ja.wikipedia.org/wiki/鶏卵素麺
(2014年7月5日参照)
Wipedia 「ターオ・トーンキープマー」http://ja.wikipedia.org/wiki/マリー・ギマルド
(2014年7月5日参照)
Wipedia 「コンスタンティン・フォールコン」
http://ja.wikipedia.org/wiki/コンスタンティン・フォールコン
(2014年7月5日参照)

2 件のコメント

  • そうらしいですけど、自分も食べたことないです。そのうち買ってみて、タイのフォイトーンと『食べ比べ』してみたいすね~。

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