アナタが食べてるその生春巻き、ホントにタイ料理!? 『ポピアソッド』

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เปาะเปี๊ยะสด ポピアソッド
タイ風生春巻き
今回は、皆様の常識をくつがえす??内容となっているので注意!!
みなさん、日本でタイ料理屋へ入ったとき、「生春巻き」を注文したことはないだろうか?
タイ料理屋で生春巻きといえば定番中の定番料理。大抵がこんな見た目のはずだ。↓↓

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グーグル画像検索で一番初めに出てくる画像。「本みりん」のレシピページの画像の様子。(画像をクリックすると本みりんのページに飛びます)
うーん。よく見かけるビジュアル。なんの疑問もない…。
しかしみなさん、ご存知だろうか…
この生春巻き、実はタイ料理には存在しないということを…!
ええ〜!いやいやいや!と言う人は多いだろう。タイに行った時におんなじモノを食べたという人もいるかもしれない。かくいう自分もその一人だ。ハッキリ覚えているのは、タイのコラートで食べた生春巻き。他の料理と同様、庶民的なお店で売っていた。
確かに、この写真どおりの料理はタイにもある。でも、正確にはこの料理、「ポピアソッドユワンと言う。つまりタイでもこのスタイルの生春巻きは「ベトナム風生春巻き」と言うのである。
うーん、どういうことだろう。じゃあ、ベトナム風じゃない生春巻きというのがあるのか。
実は、ある。
中華街やデパートのフードコートで見かける。こんな食べ物だ。

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!?

見た目は…かなり違う。生春巻きだけどエビとかは入っていなくて、中華風の甘辛そうなタレがかかっている。もうちょい豪華な店に行くと、この上にさらにほぐしたカニの肉が振りかけてあったりする。

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切り分けられたうちの一欠片を箸で取り上げてみた。生地はライスペーパーではなくて、揚げ春巻きと同様の小麦粉由来の生地。中に入っているのは…もやし、白菜、きゅうりなど野菜中心。
上にかかっている醤油だれは、みたらし団子のタレを甘さ控えめにして、バランスを整えた感じ。塩気も控えめでくどくない。それでいて薄味でもない。なかなかいいバランスだ。

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この生春巻きをみつけたところは、毎度おなじみバンランプ―。カオサンロードの目と鼻の先の庶民的な麺料理屋だった。タイ語で「生春巻き」と書かれていただけなので、メニューの存在にもなかなか気づかない。試しに頼んでみたら、これが大当たりというわけ。こういう発見があるから街歩きってやめられないよね〜。正しい意味での、「タイ風生春巻き」は、こっちなんじゃないかなと思う。いやこれはタイ料理じゃなくて中華なんじゃないかと思う人もいるかも知んないけど、深ーくタイ料理を見ていくとタイ料理と中華料理を明確に区別することは難しくなっていくことはご承知の通り。
日本のお店ではベトナム風生春巻きと差別化するために、つけダレをスイートチリソースに代えているよね。僕はてっきりつけダレの違いがそのままタイ料理、ベトナム料理の違いってことなんだと思っていた。
…っていうか日本でタイ料理屋営んでる人も、そう思って売っている人が多いんじゃないだろうか。みんながタイ風春巻きだと思って食べている春巻きは実はベトナム料理で、タイ料理の「生春巻き」は別に存在していた。
それにしても、なんでまたこんなことになってしまったのだろう。調べてみるとこんなことが書いてあるWebページに遭遇した。

味澤ペンシー プロフィール
タイ料理研究家
株式会社スパイスロードカルチャー部門タイ料理教室講師
株式会社スパイスロード料理顧問
<中略>今ではタイ料理レストランの定番メニューとなった「生春巻き」は、実はベトナムが本場。その生春巻きをタイ料理としてアレンジし、全国のタイ料理レストランに広めたのもこのフードプロデューサー「味澤ペンシー」である。日本にタイ料理を広めた第一人者といえる。

引用おわり
つまり、日本の「タイ風生春巻き」は、この味澤ペンシーさんが広めたものだったらしい。
考えて見れば、日本のギョーザは焼き餃子が主流で、本場中国のそれとはずいぶん違うし、日本の韓国風焼き肉だって現地のスタイルと似て非なるもの。スパゲッティーカルボナーラに生クリームを使うのも本場イタリアじゃじゃ邪道だって言うし、もちろんインドのカレーと日本のカレーはぜんぜん違う。
そういうわけで、この「タイ風生春巻き」も、日本人の味覚や受け入れ易さに合わせ、少しでも日本人に馴染みやすいようにと開発された先人の工夫の結晶なのでした。
うーん、いまはタイ料理屋もいっぱいあるけど、それもこれもこうやって創意工夫した人達のおかげなんだな〜。ありがたやありがたや。
(「ベトナム風」の料理も、クワイジャップユワンとかカノムブアンユワンとか、タイ社会に深く浸透している料理もあります。そういう料理はイサーン地方(特にウボン)の地方料理として認識されていることが多いです。ライスペーパーでくるんだ生春巻きもそういうタイ料理の一種と言えなくもないですけど、やはりベトナム料理として認識するのが自然だと思います。あるいはタイではベトナム風の生春巻きも中華風(潮州風)の生春巻きもあるけど、タイ料理としての「生春巻き」は存在しないということなのかもしれません。いずれにしても「日本のタイ料理屋でよく見かける生春巻き、実はベトナムが本場」という認識でいいんじゃないでしょうか。) 

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2011年、タイ在住の頃にブログを開設。現在は日本に帰国し九州地方に生息中。(実家は京都なので、京都のタイ料理屋を巡るのも趣味。)現在も年に1回はタイに遊びに行き、美味しいものを食べ歩いている。

 

3 件のコメント

  • ポッピア=春巻き=ベトナム料理…じゃなくて中華がルーツ?

    マレーシアのニョニャ系(中華系)の料理に『ポッピア』と呼ばれる生春巻きチックな食べ物があるんですが、タイでも春巻きは『ポッピア』なんですよね。 マレーシアとタイのポッピア、そして日本での”生春巻き”と呼ばれてるものについていろいろ思う事がありまして…。   生春巻き、マレーシアの場合『薄餅』   マレーシアの生春巻き、ポッピア(薄餅と書きます)は、小麦粉と水と塩だけで作った薄ーいクレープのような生地に野菜を包み、ソースをつけて食べます。     マレーシアのポ…

  • うちの店でお客様から「生春巻きはないんですか?」と聞かれて「タイ料理ではないから」と説明していました。どうしてかと聞かれても確実な理由がわからなかったのでこれで納得できお客様にも説明できます。

    • コメントありがとうございます!
      そうですね〜。日本だと生春巻きを置いているタイ料理屋さん、結構多いですよね。
      僕はタイ料理屋の生春巻きも嫌いじゃないんですが、できればクイッティアウルイスワンを置いて欲しいところですね〜。

      お店にいらっしゃったお客様の説明に、このブログの記事が役立ちましたか!
      お役に立ててよかったです。大変嬉しく思っています!
      これからもできるだけ詳しい説明が入れられるように頑張ります(^^

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